みなさん、こんにちは。
今回は、次の問題を解いてゆきます。
その他の例題は以下のリンクを参照してください。
答え
(1)
\begin{align}
I_0(x)&=\frac{1}{2}\biggl\{x\sqrt{x^2+1}+\log(x+\sqrt{x^2+1})\biggr\}+C_0
\end{align}
但し、\(C_0\) は積分定数とする。
(2)$$I_1(x)=\frac{1}{3}(x^2+1)\sqrt{x^2+1}+C_1$$
但し、\(C_1\) は積分定数とする。
(3)
\begin{align}
I_2(x)
&=\frac{1}{8}\biggl\{x(2x^2+1)\sqrt{x^2+1}-\log(x+\sqrt{x^2+1})\biggr\}+C_2\\
I_3(x)
&=\frac{1}{15}(3x^2-2)(x^2+1)\sqrt{x^2+1}+C_3
\end{align}
但し、\(C_2\) と \(C_3\) は積分定数とする。
解説
\(I_0(x)\) を求める。
まず、\(x^0=1\) と約束していたので
\begin{align}
I_0(x)
&=\int \sqrt{x^2+1}\,dx\\
&=\int \frac{x^2+1}{\sqrt{x^2+1}}\,dx\\
&=\int x\frac{x}{\sqrt{x^2+1}}\,dx+\int \frac{1}{\sqrt{x^2+1}}\,dx\\
&=x\sqrt{x^2+1}-\int \sqrt{x^2+1}\,dx+\log(x+\sqrt{x^2+1})\\[7pt]
&=x\sqrt{x^2+1}-I_0(x)+\log(x+\sqrt{x^2+1})
\end{align}
となります。
これを \(I_0(x)\) について解くと、\(C_0\) を積分定数とすれば
\begin{align}
I_0(x)&=\frac{1}{2}\biggl\{x\sqrt{x^2+1}+\log(x+\sqrt{x^2+1})\biggr\}+C_0
\end{align}
となります。
\(I_1(x)\) を求める。
\(C_1\) を積分定数とすると
\begin{align}
I_1(x)
&=\int x(x^2+1)^{\frac{1}{2}}\,dx\\
&=\frac{1}{3}(x^2+1)^{\frac{3}{2}}+C_1\\
&=\frac{1}{3}(x^2+1)\sqrt{x^2+1}+C_1
\end{align}となります。
\(I_n(x)\) の漸化式を求める。
\(n\geq2\) であることを用いて部分積分を行います。
\begin{align}
I_n(x)
&=\int x^{n-1}x(x^2+1)^{\frac{1}{2}}\,dx\\
&=x^{n-1}\times\frac{1}{3}(x^2+1)^{\frac{3}{2}}-\int (n-1)x^{n-2}\times\frac{1}{3}(x^2+1)^{\frac{3}{2}}\,dx\\
&=\frac{1}{3}x^{n-1}(x^2+1)\sqrt{x^2+1}-\frac{1}{3}(n-1)\int (x^n+x^{n-2})\sqrt{x^2+1}\,dx\\
&=\frac{1}{3}x^{n-1}(x^2+1)\sqrt{x^2+1}-\frac{1}{3}(n-1)(I_n(x)+I_{n-2}(x))
\end{align}
これを \(I_n(x)\) について解くことで
\begin{align}
I_n(x)&=\frac{1}{n+2}x^{n-1}(x^2+1)\sqrt{x^2+1}-\frac{n-1}{n+2}I_{n-2}(x)
\end{align}
を得ます。
\(n=2\) とすると
漸化式を用いることで
\begin{align}
I_2(x)
&=\frac{1}{4}x(x^2+1)\sqrt{x^2+1}-\frac{1}{4}I_0(x)
\end{align}
となります。\(I_{0}(x)\) は既に求めていたので、\(C_2\) を積分定数とすると
\begin{align}
I_2(x)
&=\frac{1}{4}x(x^2+1)\sqrt{x^2+1}-\frac{1}{8}\left\{x\sqrt{x^2+1}+\log(x+\sqrt{x^2+1})\right\}+C_2\\
&=\frac{1}{8}\biggl\{x(2x^2+1)\sqrt{x^2+1}-\log(x+\sqrt{x^2+1})\biggr\}+C_2
\end{align}
となります。
\(n=3\) とすると
漸化式を用いることで
\begin{align}
I_3(x)
&=\frac{1}{5}x^2(x^2+1)\sqrt{x^2+1}-\frac{2}{5}I_1(x)
\end{align}
となります。\(I_{1}(x)\) は既に求めていたので、\(C_3\) を積分定数とすると
\begin{align}
I_3(x)
&=\frac{1}{5}x^2(x^2+1)\sqrt{x^2+1}-\frac{2}{15}(x^2+1)\sqrt{x^2+1}+C_3\\
&=\frac{1}{15}(3x^2-2)(x^2+1)\sqrt{x^2+1}+C_3
\end{align}
となります。
最後に
今回は、不定積分 による関数の列 \(\{I_n(x)\}\) を考えました。
それを 定積分 にすると、区間に応じて数列 \(\{I_n\}\) を得られますね。
その区間の設定として例えば \(\displaystyle \left[0,1\right]\) を採用してみましょう。
この数列
\begin{align}
I_n&=\int_0^1 x^n\sqrt{x^2+1}\,dx
\end{align}に関しては、以下の記事で扱っています。
関連 : 数学IIICカテゴリー
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