みなさん、こんにちは。
今回は、次の問題を解いてゆきます。
その他の例題は以下のリンクを参照してください。
答え
(1)\(\displaystyle I_1=\frac{\pi}{4}\)
(2)\(\displaystyle I_2=\frac{\pi}{8}+\frac{1}{4}\),\(\displaystyle I_3=\frac{3}{32}\pi+\frac{1}{4}\),\(\displaystyle I_4=\frac{5}{64}\pi+\frac{11}{48}\)
解説
\(I_1\) を求める。
まず、\(x=\tan\theta\)(\(\displaystyle -\frac{\pi}{2}<\theta<\frac{\pi}{2}\))とおくと
\begin{align}
dx=\frac{1}{\cos^2\theta}d\theta
\end{align}
であるので、
\begin{align}
I_1
&=\int_0^1 \frac{1}{x^2+1}\,dx\\
&=\int_0^{\frac{\pi}{4}} \frac{1}{\tan^2\theta+1}\frac{1}{\cos^2\theta}\,d\theta\\
&=\int_0^{\frac{\pi}{4}} \,d\theta\\
&=\frac{\pi}{4}
\end{align}となります。
\(I_n\) の漸化式を求める。
少し工夫して部分積分を行います。
\begin{align}
\frac{1}{(x^2+1)^{n+1}}
&=\frac{(x^2+1)-x^2}{(x^2+1)^{n+1}}\\
&=\frac{1}{(x^2+1)^n}-\frac{x^2}{(x^2+1)^{n+1}}
\end{align}
であるので
\begin{align}
I_n-I_{n+1}
&=\int_0^1 \left\{\frac{1}{(x^2+1)^n}-\frac{1}{(x^2+1)^{n+1}}\right\}\,dx\\
&=\int_0^1 x\frac{x}{(x^2+1)^{n+1}}\,dx\\
&=\left[x\frac{-1}{2n(x^2+1)^n}\right]_0^1-\int_0^1 \frac{-1}{2n(x^2+1)^n}\,dx\\
&=-\frac{1}{2^{n+1}n}+\frac{1}{2n}I_{n}
\end{align}
これを \(I_{n+1}\) について解くことで
\begin{align}
I_{n+1}
&=\frac{2n-1}{2n}I_{n}+\frac{1}{2^{n+1}n}
\end{align}
を得ます。
\(n=1\) とすると
\begin{align}
I_2
&=\frac{1}{2}I_1+\frac{1}{2^2\times1}\\
&=\frac{1}{2}\times\frac{\pi}{4}+\frac{1}{4}\\
&=\frac{\pi}{8}+\frac{1}{4}
\end{align}
\(n=2\) とすると
\begin{align}
I_3
&=\frac{3}{4}I_2+\frac{1}{2^3\times2}\\
&=\frac{3}{4}\left(\frac{\pi}{8}+\frac{1}{4}\right)+\frac{1}{16}\\
&=\frac{3}{32}\pi+\frac{1}{4}
\end{align}
\(n=3\) とすると
\begin{align}
I_4
&=\frac{5}{6}I_3+\frac{1}{2^4\times3}\\
&=\frac{5}{6}\left(\frac{3}{32}\pi+\frac{1}{4}\right)+\frac{1}{48}\\
&=\frac{5}{64}\pi+\frac{11}{48}
\end{align}
最後に
今回は、定積分 による数列 \(\{I_n\}\) を考えました。
対応する 不定積分 による関数の列 \(\{I_n(x)\}\) も、小さい \(n\) の値に関して求めてゆくことができます。
この関数
\begin{align}
I_n(x)&=\int \frac{1}{(x^2+1)^n}\,dx
\end{align}に関しては、以下の記事で扱っています。
関連 : 数学IIICカテゴリー
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